年々、人材の流動性が高まり、「転職」への抵抗感が減っているように思います。
19新卒へのアンケート結果などを見ていても、その傾向は明らかです。
大手就職情報サイトのマイナビの調査では、新入社員に「今の会社で何年働くと思うか」と質問したところ、46.9%が「10年くらいまで」と回答。定年まで働くとしたのは、21.8%にとどまった。ということですし、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのアンケートによると、新入社員の56.5%は「自分にもっとあった会社があれば転職したい」と返答したとのことです。
新入社員の半数以上が入社時から将来の転職を想定しているようですね。
さらに、日本能率協会の調査では若手社員の約3割が「副業・兼業をしている」とのことで、もはや「転職」だけでなく「副業」や「複業」を視野に入れた働き方も増えてきています。
新入社員が「転職」を意識する用になっている1つの要因として、企業寿命が短くなって来ていることがあると思います。
新たな商品やサービスを開発しても10年も立たずに陳腐化してしまう時代なので、1つの会社に定年まで勤めるという考え方がなくなるのは当たりまえ。
しかも、今や人生100年時代。70歳を超えても生き生きと過ごすためにも、働き続けられる状態を作るためにも、将来を見据えて若い時期からの働き方をしっかり見つめる必要がありますね。
そんな中で、私が最近、気になっているキーワードが「またぎ転職」。
またぎ転職とは、その名の通り、業種や職種をまたいで転職することです。
大手求人サイトのデータを分析すると、
・実際に、3人に1人は業種も職種も違う転職をしている。
・同業種同職種内の転職は5人に1人しかいない。
ということがわかっているとか。
これはとても興味深いデータですね。
転職後の感想を聞いていないので「またぎ転職」が良いとは言い切れませんが、転職を考える上で、あまり今の職種や業種に固執しないことは大事だと思います。
ついつい自分の経験職種や経験業種を気にしてしまうものですが、企業が採用時に重視するのは業種や職種ではなく、その人が何ができるのかという「スキル」です。
採用担当者、特に経営者の場合、「業界は全く違うけど、前職での経験を通じて、こういうスキルを持っていそうだからこれは、当社でも即戦力として期待できるな」と考えるもの。だから、「自分は何ができるのか」「自分はどんなスキルを持っているのか」という視点で自分のキャリアを見直すことが大事ですね。
「自分は課長ができます」という笑い話がありますが、役職ではなく、具体的なスキルを言語化することもポイントです。
例えば、「年齢も価値観も違う人を取りまとめるスキルがある」とか「人を動機付けたりモチベーションを高めて後押しするスキルがある」とか。
もちろん、何がやりたいかは重要ですが、「自分は何ができるのか」を意識した働き方をしていくことが将来の転職につながります。
やれることが増えていくと別の業界や職種にいっても役立つもの。それが、独立やフリーランスという働き方につながるかもしれません。
待遇や福利厚生も大事ですが、それ以上に「自分のスキルを高められる職場」かどうか、また、「新しいスキルを身につけ成長できる職場」かどうか、転職においてはそんな視点も重要ですね。
自分で視野を狭めず、将来の仕事の広がりをぜひ意識してほしいと思います。